龍神村と「つぐみ食堂」:道の駅龍游の食堂

gadogadojp

2022年08月04日 10:00

1)龍神村



「つぐみ食堂」のしいたけバーガーと蕎麦のセット。奥様撮影。


田辺市龍神村。
元は和歌山県日高郡の一村。昭和三十年、上山路(さんじ)村・中山路村・下山路村と合併して(広域)龍神村と名乗る。
今は田辺市の一部となったが、「村」の大字呼称を温存して独立的な雰囲気を残す。
西暦700年前後、大和国の修験者、役の小角(役行者)によって発見された温泉が、のちに空海によって”再発見”されたと伝わる。
川=龍の信仰から、日高川沿いに温泉が湧くこの地を龍神と名付けたのだろう。




桜の季節の龍神村と日高川:奥様撮影


などと龍神村の由来を書いてみましたが、その名称のカッコ良さ、もしくは仰々しさ(失礼)から、「村」としては全国的に知名度が高いように思います。
私たちはこのエリアが大好きで、大阪暮らしの時代にも何度か訪問したのですが、今は自宅から村境まで60分でたどりつけるところに住んでいますから、もっとひんぱんに訪れています。メジャーな”観光地”は、日本三大美人の湯として知られる龍神温泉くらいですけれど、日高川流域のこの地にはなんだか良い”気”が流れていて、行くたびに清々しくなって帰るのです。
(私たちのの大好きな「るあん」、「もんぺとくわ」、「梅樹庵」、「コンセルヴァ」、「とりとんファーム」、「G.ワークス」、そしてこの「つぐみ食堂」などの佳店が点在していることも大きな魅力です。)

神秘主義者でも信仰心があるわけでもない私なのに、良い”気”、というような曖昧な書き方をしましたけれど、そう感じているのは私たちだけではないと思います。役小角、安倍晴明(来訪伝説あり)、空海などを惹きつけ、乗用車ドライバーやバイクライダーたちを魅了してやまないのも、案外その”気”に誘引されているからではないでしょうか。




上図にあるように、大阪方面から高速道路など使わずに龍神村にドライブ・ツーリングする場合は主に二通りのルートがあります。
1)紀の川市付近から国道424号をメインルートにして南下する西側の生石山ルート。
2)九度山付近から国道480号→371号を通って南下する東側の護摩壇山ルート。
もちろん、それぞれのバリエーションの道はたくさんあるのですが、大まかには東西二つのルートがあるということです。
どちらのルートで南下しても、最奥部近くでここ「道の駅龍游」と出会いますから、店はたいへん有用な位置にあると言えるでしょう。

さて、龍神村の由来や道の駅立地の有用性について長々と書きました。
ようやく道の駅それ自体について書いていきます。






2)「つぐみ食堂」

日高川に沿って建つ「道の駅龍游(りゅうゆう)」の同じ敷地内には、「こすげ食堂」や「G.ワークス」などが並びますが、向かって左側が道の駅。この建物にはもちろん売店があり、広いとはいえませんがなかなかの品揃え。「るあん」の豆腐、「とりとんファーム」の卵、巨大で肉厚な龍神しいたけ、アマゴや鮎の冷凍品や甘露煮など私たちにジャストフィットした製品が並んでいます。その売店部分に隣接して「つぐみ食堂」があります。窓側のカウンター席からは日高川を見下ろすことができます。地場の木材を使ったテーブルと椅子は重厚。窓は東向きなので、午後になると店内に射す陽光は少ないため、他の席はやや薄暗い印象ですが落ち着きます。






さまざまなメニューが用意されていますが、日高川流域で養殖されているアマゴ・すぐ近くで栽培されている龍神シイタケ(龍神マッシュ)・龍神村で育ったソバを使った蕎麦料理の三つの素材が柱のように思います。そのいずれかを主役にした献立をオーダーすることをお勧めします。ただし、地場の蕎麦は数量限定です。





中でも大きなシイタケを使ったシイタケバーガーは、テイクアウトしやすいこともあって、一番人気の様子。私はこのシイタケをどんと丸ごと天ぷらにしたものが好き。梅肉を挟むように仕上げていて、おいしいのです。

和歌山県内では珍しく、ここ龍神村では蕎麦栽培が行われています。つゆの具合も穏やかで、私はこの蕎麦が好きです。
ランチのみの営業ですからご注意を。

垢抜けた店ではありませんが、料理の工夫を怠らず、親切な応対の良い店です。






「つぐみ食堂」
0739-77-0380
和歌山県田辺市龍神村福井511 道の駅 龍游館
11:00~15:00
火曜日(祝日の場合は営業)定休
年末年始は休業





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