長浜あれこれ
海洋堂フィギュアミュージアム黒壁
ひさしぶりの滋賀県長浜市。
湖北を旅する場合、やはりここははずせません。
有名な割に美味いものやどうしても見ておかねばならない観光資源が乏しいのですが、
町おこし応援の気持ちも込めて、少し中心地を散策してみました。
盆が過ぎた後の平日のせいもあるのですが、
意外なほど観光客が少なく、少々さびしい通りでした。
(記事の最後にもう少しコメントを書いています。)
1)「海洋堂フィギュアミュージアム黒壁」
おなじみ「海洋堂」のフィギュアがずらりと並ぶ、遊び心いっぱいの店です。
フィギュアにあまり関心のない私でも、けっこうな時間を費やしてしまいます。
エイリアンの実物大などあれば、百万円払っても買ってしまうかも。(嘘)
今回は、下のような小さなほのぼの作品が印象に残りました。
2)「豆吉本舗」
メインのアーケードの中、ちょっと目を惹く豆菓子の店です。
陳列の具合が可愛く、いろどりも豊か。
天然素材だけで味付けや着色をしているわけではないところが、少々残念ではありますが、
私はこの店の甘納豆、好きです。
3)「羽淵商店」
曳山博物館近くの目立たない店構えの小間物屋さん。
いえ、ゴーヤのグリーンカーテンが目立っていました。
古い商家の風情が残る、ちょっといい空間です。
この店は今回が初めてですが、店内に残る看板やポスターに驚きました。
原節子さんの栄養クリームポスター。
森下仁丹のハミガキポスター。
ベルベット石鹸の看板…
時代をワープできます。
缶入りスモカハミガキが売られていたことにびっくり。
店の女将?は調香師。
手づくりオーデコロンをその場で作ってくださいます。
妻もさっそく注文。
質問に答えていけば自然に出来上がりますので、慣れない人でも簡単です。
店のホームページはこちら。
4)「カフェ 叶 匠壽庵 長浜黒壁店」
今回の最大の発見(おおげさ)は、この店でした。
私の姪が「叶 匠壽庵 宝塚阪急あずき房」で食べた抹茶のかき氷写真をフェイスブックにアップ。
それがあまりに美味しそうだったのを妻が記憶していて、
今回長浜にカフェがあるのを思い出し、
店を探して行ったという顛末です。
土蔵のある民家を改造したのでしょうか、塗装が少々新し過ぎる印象です。
あるいは店舗だけは新築したのでしょうか。
それでもいかにも、という情緒あるインテリアの中で、
いわゆる宇治金時(商品名は失念)を注文しました。
食べて驚きました。
氷はきめ細かくフワフワ。
まず抹茶が本物で緑濃く、苦みが美味しい。
作り立ての白玉が美味しい、
金時が美味しい、
練乳もかかっている。
ほうじ茶がついてくるのもGOOD.
さすが和菓子屋さんですね。
人気店らしく、私たちが店に入る間におやつ時になると、
たちまち行列ができました。
HPはこちら
5)「キッチンカフェ P.ACT」
この店は今回は立ち寄っていません。
以下は数年前の記事ですが、今回ここに統合しました。
営業中であることは確認済みです。
長浜の中心地で食事しました。
黒壁ガラス館などにも立ち寄りましたが、ここが主目的ではありませんでしたから、短時間の滞在です。
私が気になった店もありましたが、
「よく客が入ってる」という奥様のチョイスでこの店を選びました。
正解です。
カフェ的しつらえの店ですが、見栄え重視のうすっぺらい料理ではありません。
材料、デザイン、調理法いずれも特別際立ってはいませんが、ちゃんとつくろうという店の心意気が感じられます。
良いスタッフがおられるのでしょう。
食べ物屋さんはこうでなくちゃ。
その分、少し待ち時間はかかりましたが。
全体に観光客が少ない日でしたが、
黒壁スクエアだけは賑わっていました。
今後の長浜市の取り組みに期待します。
湖北の観光拠点になりますように。
以下、観光都市としての長浜市への批判的コメントを書きます。
関心のない方はスルーお願いします。
滋賀県長浜市は都市型町おこしの元祖であり、成功例であるというイメージがまだ強く残っています。
私も個人で三回、職場関連で三回ほど足を踏み入れていますから、いわゆる地方都市としては馴染みのあるほうです。
そしてその都度小物を買ったり、飲食をしたりしていますから、立ち寄る魅力のあるエリアであることに違いはありません。
ところが、そのわりに存在感が薄いことも否めません。
この町を目的に小旅行をしたいとか、
大好きな町ベスト10に入るとか、
そういう町ではないのです、私の中では。
実際に、そろそろ斜陽がしのび寄ってきていると思われる具体的な情報も、門外漢の私にまでちらほらと入って来ています。
旬が過ぎた、
人為的な町づくりに過ぎた、
等々原因はいくつも語られます。
一時は大きな脚光を浴びただけに、
もし激しく凋落するようなことがあれば、
その落差がたいへん寂しく感じられるはず。
もうひとふんばりしていただきたいものです。
一観光客としてアドバイスをさせていただくなら、
今日の下り坂の原因は、
一旦町おこしとして成功した為に、そのあとのボトムアップ、フォローがおろそかになったせいではないかと見ます。
たとえば、
なぜこの町に、魅力的でリーズナブルな小宿が誕生しなかったのでしょう。
〜眺望の良い市街地の西北側の湖畔にあるのは、工業団地だけです。
なぜもっと早く、中心地の電信柱を撤去し、地下化し、景観を磨き上げなかったのでしょう。
〜意外に写真を写したくなる風景が少ないのです。
なぜ滋賀の若い人たちに、観光起業のチャンスを用意しなかったのでしょう。
〜観光客の平均年齢は高いです。受け入れ側に若手が必要です。
なぜ町中に美味しい食事どころが少ないのでしょう。
〜手軽に琵琶湖の湖の幸が食べられたらどんなにいいでしょう。
なぜ町中に地図や標識が少ないのでしょう。
〜町の情緒に合わせた標識づくりなど可能なはず。
なぜ近郊田園にサイクリングコースを設置し、自転車好きの日本人、西洋人観光客を誘致しなかったのでしょう。
〜姉川水系の水田と清流の風景は、いまだにみごとです。
なぜ町に中国人、台湾人の観光客が少ないのでしょう。
〜琵琶湖遊覧とセットになるのがいいですね。
元々目立った観光資源が無いところに、辛うじて残っていた古い銀行の建物を中心に作り上げた町おこし。
めざましい成功を遂げた後は、
ここを滞在型観光地に変えていくこと、つまり、一泊二日長浜にいても飽きない場所になっていくことだけが唯一の道ではなかったかと思うのです。
失礼しました。
関連記事