花小宿:有馬温泉の佳宿〜その1
2012年03月25日
古い旅館を借り受けて改修を施した木造の宿
「花小宿(はなこやど)」は有馬温泉の小さい宿です。
泊まってみたいと思われる方が多く、予約がとりにくい宿です。
御所坊(ごしょぼう)グループらしく、ホームページが充実していますので、
私の拙い紹介を読んで頂くより、そちらをご覧になるほうが詳細はわかります。
アルファベットで書かれた看板が不思議と調和するセンスの良さ。
『ホテル花小宿は…(中略)…外国人たちが有馬温泉にやって来た時に存在していた外国人専用ホテルのイメージに合わせて改修を行いました。』とHPにあります。現主人15代目金井四郎兵衛(金井啓修氏)のアイデアの賜物でしょう。
宿泊したのはたっまたまバレンタインデイ。義父母と共に四人の旅です。
雨模様のためにランチ以外の寄り道もせず、宝塚から蓬莱峡経由で有馬へ。
温泉街を迂回して御所坊グループ共通の「有馬里(ありまり)」駐車場に車を停めると、係の方がすぐに宿まで送ってくださいました。
宿に着いたのは午後2時、チェックインにまだ1時間あります。
まだ準備が整っておらず、部屋には入れません。
チェックアウトが12時の旅館ですので、これはやむを得ません。
ただ驚いた事に宿にはロビーがありません。
腰の具合の良くない義母にとって、雨に濡れた有馬の坂道散歩はふさわしくありません。
玄関先で待つのも馬鹿げています。
チェックインタイムを厳密に守るべきでした。
そんな時に義父がフロントマンにある質問をしました。
どうやら彼は、師匠筋に当たる或る高齢の方を有馬温泉に招くことを企画しているらしく、
玄関の高い段差を上がる方法を尋ねたのでした。
古い建物を利用したこの「花小宿」は完全なバリアフリーの実現には致命的な建築構造です。
かといって、新築し直して障害者に不自由の無い建物にしてしまうのは、宿の趣旨に反します。
宿はその矛盾の解決方法として、<介助のしやすい宿>を目指しておられます。
その工夫の一例がここにありました。
足の弱い高齢者にとって、もっとも障害になるだろうこの段差部分には、実は巧みな仕掛けがこっそり用意されていたのです。
土間部分の一部が電動でせりあがるようになっていて、これの作動をフロントは実演してくださいました。
なるほど、これなら、最上段に楽に腰掛けることが可能ですし、古い旅館の情緒を、味気ない設備で損なう事もありません。
と、まあこのような時間がありましたので、チェックインまでの待ち時間が短くなりましたので、
とりあえず有馬温泉街の中心地である金の湯付近まで行くことにしました。
ゆっくり歩いても数分の距離です。
店頭でほかほか湯気の上がる酒饅頭の店がありました。
「三ツ森 和菓子工房」です。これは買わずにおれません。
妻と義母が店の前のベンチに仲良く座って頬張っていました。
続いて「有馬玩具博物館」へ。
当日は休館日でしたので、一階のショップでしばらく時間を過ごします。
二階のカフェに上がる階段下で上の写真の<料理見本>発見。
木で作った玩具なのですが、これ欲しい!と思いました。
いえ、これ食べたい!かな(笑)
宿に戻ります。宿は温泉寺の真下に位置します。
雨はなんとかやんでいます。
チェックインを済ませ、一階の木槿(ムクゲ)の間に通されます。
ツインルームです。
「花小宿」のコンセプトは先述のように<外国人専用旅館>のイメージですから、ここはベッドが置かれています。
ただしこのベッドは電動。
ここでも介助しやすい宿、のこだわりが見えます。
部屋名もさすがのセンス。アルファベットは使っていませんが、玄関の看板と共通のテイストを感じます。
窓の外は狭いながらも整った、風情のある庭のしつらえ。
ただ、狭い道をはさんで目前に民家があります。
展望を楽しむ宿ではありません。
縁側がありますので、
禁煙部屋ではありませんが、私はここで喫煙していました。
長くなりますので、以下は次号にて。
Posted by gadogadojp at 18:30│Comments(0)
│宿/ホテル