ワジー(涌地):伊江島の断崖絶景

gadogadojp

2015年01月23日 18:30


展望台から:下部に見えるコンクリの建物の中で湧水しているはず。



濃紺の中の水色が美しい


今回は二度目の伊江島でした。
前回の心残りは、断崖の下、海岸に清水が湧き出るワジー(涌地)ポイントにたどりつけなかったことです。
直前の大雨で、海に下る道に落石があったためです。
今回はその道は通じていましたので、ワジーまで行くことができました。

あいにく晴天とはいかず、カメラが切り取る海の色、崖の立体感は不十分ですが、
肉眼では絶景と言って良い風景が広がっていました。

伊江島に行かれる方はぜひレンタカーを利用され、
1)展望台からワジーを見下ろし、海を眺め、
2)(少し離れた場所から)道を下ってワジーにまで足を伸ばしていただくよう、おすすめします。



ワジー前の海














ワジーとは何でしょう。
いくつかの簡単な資料を見ますと、
かつては水不足に悩んでいた伊江島の住民にとって、
このワジーの、枯れることの無い良質な水は、
命の泉であったようです。
ただし、急峻な崖を下らなくてはならず、
その確保はたいへんな労働であった、とわかります。

ただ、こういう簡略なアウトラインからもう一歩深めて知るには一苦労があります。
内地に住んでいると、
たとえばワジーにどの程度依存していたのか(他の湧き水はどれくらいあったのか)、
それはいつ頃のことなのか、
今あるワジーへの車道はいつ完成したのか、
などなどのちょっとした情報がまったく入らず、
伊江島島民の水利生活の歴史を把握することができないのです。

伊江島に滞在し、公民館の図書を漁り、古老に話を聞く、、、
そういう努力をすればよいのですが、
わたしの関心は水利そのものではなく、
伊江島のみならず沖縄民衆の生活の歴史の全体像ですから、
なかなかこのことにだけ時間を割くことができないのです。

沖縄の歴史研究には明らかな断絶があります。
戦争による甚大な被害と、
ヤマト(日本)がもたらした、「沖縄文化はヤマト文化に劣る」という洗脳のためだと思われます。
私たち素人にも活用しやすい、専門家の手になる資料の充実に期待しているのですが。




このあたりの水をなめてみると、ほぼ淡水でした。



関連記事