きわめつけ「濵田屋」の胡麻豆腐:高野山

2019年08月03日

きわめつけ「濵田屋」の胡麻豆腐:高野山



紀南にある私達の自宅から大阪に出る場合、時間に制限がなければ高野山ルートを選ぶことができます。高野龍神スカイラインを通って大阪市内まで一般道で4時間少々。休憩や食事を含めると6時間の長丁場ですけれど、そのルートのメリットは高速料金の節約だけではありません。緑に包まれた心地よいドライブと、ルート上に点在するグルメスポットの存在です。
数あるグルメスポットの内、今回は「濵田屋」の生胡麻豆腐の紹介です。

胡麻豆腐は練った胡麻(ゴマ)と葛(クズ)粉が主原料。手仕事でゴマを練るのは楽な仕事ではなく、根気が必要。仏道の修行として適しているとのことで、滋養分の価値だけでなく、寺院の精進料理の主役として重宝されてきた歴史があります。
そして葛粉もまた、クズの塊根から大変な手間暇かけて精製する食材ですから、本物の胡麻豆腐とは、その地味な外見とはうらはらに、人間の手仕事の労力と誠意がたっぷり込められた料理であると言えましょう。
スーパーで売られている工場製の芋デンプン胡麻豆腐とは素性が違うのです。
(スーパーものを否定はしませんよ。ただ、別の食べ物なのです。)


きわめつけ「濵田屋」の胡麻豆腐:高野山



それでは、本物の胡麻豆腐はどうすれば入手できるでしょうか。
高野山のお土産として馴染みがあるのは、「角濱(かどはま)ごまとうふ」の製品ではないでしょうか。きちんと製造された胡麻豆腐をアルミパックし、加熱殺菌したものをよく目にします。いわば胡麻豆腐のレトルト品です。私たちも何度も購入しましたし、おいしいものです。ただしこれは生ではありません。

高野山の「角濱」飲食店では生がいただけるそうですが、私がずっと憧れていたのはここ「濵田屋」の生胡麻豆腐でした。この店の製品は持ち帰ることしかできない正真正銘の生だけのお店です。いえ地方発送もできるのですが、夏場だと商品到着当日が消費期限。送料がかかりますし、うっかり留守にしてしまうとえらいことになります。われわれ一般人なら高野山に参詣した時に買い求めるのが賢明でしょう。予約もできます。

店舗は高野山の中心地にありますが、商店や寺院が立ち並ぶメインストリートではありません。たとえば金剛峯寺(こんごうぶじ)前の駐車場からなら5〜7分くらい歩きます。店舗前には軽自動車で三台停められるくらいのスペースがありますが、歩ける方はどこか駐車場に車を停めて訪問されることをおすすめします。店前の道路は決して広くはありませんから。(それでも国道!371号)

店に行かれる場合には必携品があります。クーラバッグ(orスチロール箱)と冷やされた保冷剤、そして保冷剤を包む布か新聞紙など。これらを車に置いておいてはいけません。店で必ず見せてからでないと売ってもらえません。(保冷セットが別売りで用意されていますが)品質保持のための店の誠意であり良心であると受け止めればよろしいのではないかと思います。
角形胡麻豆腐6個入り2200円。他に4個入り、8個入り在り。
詳しくはHPの商品ページで。

店内には少しだけ床几のような座る場所があり、毛氈が敷かれていますので、ここでいただくこともできます。店主は二通りの食べ方を示します。一つは定番のわさび醤油。もう一つは和三盆糖で食べる方法。私たちは二種ともに試してみましたが、両方ともにとても良いものでした。
まず胡麻豆腐そのものがきわめつけの美味しさでそこに在ります。ゴマの香りはやや控えめですが、舌先がその滋養分を感知します。口触りは葛本来のねっとりといいますか何といいますかまとわりついたのちにすっと消えていくあの感触で迫ります。そこに加えてわさび醤油なら酒が一杯欲しくなる料理になりますし、和三盆なら京都「鍵善」の葛切りにゴマ風味を足したような和スイーツ感が味わえます。

いやあ満足いたしました。高野山はいいところです。


なお、山上のいくつかの飲食店では本店の生胡麻豆腐を精進料理の一品として味わうことができます。私たちが知っている店では「和食おぐら」でもいただくことができました。



きわめつけ「濵田屋」の胡麻豆腐:高野山

妻の撮影


「濱田屋」
和歌山県伊都郡高野町大字高野山444
TEL:0736-56-2343
9:00~17:00(売り切れ閉店)
不定休



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Posted by gadogadojp at 20:00│Comments(0)グルメ
 
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