紀南のおすすめ飲食店:第2回<蕎麦編>

2021年07月04日

紀南のおすすめ飲食店

コロナ禍が一段落したら紀南にぜひおいでください。
たくさんのおいしい食べ物・料理、おもしろい人たちが待っています。

夫婦で紀南に移り住んで4年の節目に、このリストを作成しました。
文末に添えた”方針”にも書きましたが、原則的にすべて実際に訪れた店です。ただ、コロナ禍による(営業時間や業態など)臨時変更についてはふれていません。

ジャンル別に連載します。第2回は蕎麦(そば)編です。


紀南のおすすめ飲食店:第2回<蕎麦編>

「さいこう」



紀南のおすすめ飲食店 第2回.蕎麦編

私たち夫婦は大の蕎麦好き。中でも十割、八割の色黒の田舎蕎麦にキリッと系のつゆ、とくればたまりません。しかし紀南には蕎麦文化自体が存在しないのです。(紀北でも和歌山市の「そば切り徳」以外の蕎麦専門店を知りません。白浜にはかつて「蕎麦切り譚」という佳い店があったそうですが。)
それはなぜなのか、歴史的、風土的な原因に興味が湧きます。(私は東=蕎麦、西=うどんという通説は例外が多すぎて採用しません。)
素人考えでは熊野山間部の狭くて傾斜した土地にソバ栽培は適していると思うのですが、あまり実績はなさそうです。日射量が不足しているのかもしれませんし、逆に雨が多すぎるのかもしれません。夏の高温が致命的だったのでしょうか。あるいは蜜柑や梅栽培を優先しろという紀伊徳川家による強要があったのでしょうか。現在私が知る限りのソバ栽培地は龍神村と熊野川町だけです。




紀南のおすすめ飲食店:第2回<蕎麦編>
上富田町「おおみや」:
国道311号生馬(いくま)交差点から快走路を8分ほど車で山に分け入った場所にポツンとある。清流沿いで雰囲気がある。夕霧そばの
「瓢亭」出身の店主はUターン組。蕎麦は細めでやや色白、つゆは関西としては辛め。総じて上出来で、紀南では1,2を争う完成度ではないか。温かい接客も抜群。ただし上述のように行き場所の少ない紀南の蕎麦好きがやってくる土日祝はあまりの忙しさに茹で具合のばらつきを感じる。できれば平日をおすすめする。予約は席の予約ではなく、蕎麦のキープのみなので混雑時は待つことになる。詳細記事→「おおみや」
2021.12追記:上記のように失礼な書き込みをしましたが、最近はスタッフが大幅に増え、麺のばらつきはなくなり、すこぶる安定しています。どうか安心してお出かけください。


紀南のおすすめ飲食店:第2回<蕎麦編>
白浜町「さいこう」:
白浜の中心地の脇道のさらに裏側に潜んでいる店。観光客には見つけづらい。駐車場は狭いので徒歩がお勧め。以前は鮎川(富田川中流)から通う女将が蕎麦を打っていたが、数年前に若者に運営を譲渡。新主人はフレンチシェフでもあって、それゆえ当店はユニークな献立が楽しい。ランチもある。現在は奥様が蕎麦を打っている。その腕前も上がってきて、直近の訪問では、蕎麦の喉越し・旨味・つゆの切れ、などなどかなり上等になってきた。鴨せいろなど鴨を使った蕎麦もおすすめ。詳細記事→「さいこう」


紀南のおすすめ飲食店:第2回<蕎麦編>
那智勝浦町「森本屋」:
「十割そば森本屋」。勝浦の旅館万清楼の裏手に位置し埠頭に近い。道は細く駐車場も小さいので別の駐車場に停めてブラブラ散歩が良さそう。色黒でやや太めの蕎麦もマグロ丼も旨い。つゆは紀南らしく甘口。全体にボリュームたっぷりで地元民も熱烈ご愛用。元は旅籠だったという建物内も必見。主人は元マグロ漁師だったという伝聞。以前は民宿も営んでいたそうで、万事に歴史を感じる。接客も温かい。座敷席のみ。白浜から100分。


紀南のおすすめ飲食店:第2回<蕎麦編>
本宮町「拝庵」
(おがみあん):

熊野本宮の少し北、伏拝(ふしをがみ、ふしおがみ)王子近くの蕎麦屋・民宿。「山伏そば拝庵」という店名からもしかしてと思ったが、若い主人は本当に山伏だった。二階の座敷には装束が飾られ祭壇が祀られ、店から出る時に手が空いていれば螺貝を吹いて道中の無事を祈願してくれる。日本中探してもこういう店は見つからないのでは。二八もあったが今はすべて十割。つゆはお江戸風にキリッとかつおだし。東京生まれのKは大喜び。 蕎麦も良いが野菜も良いので、だご汁(写真)も一緒にぜひ。だごは団子で蕎麦がきに類似。一階には果無(はてなし)山脈が見えるテーブル席。集落内の狭道を通った先の駐車場からちょっと歩き、店までは少しばかり階段を上る。予約がベター。白浜から90分。
詳細記事→「拝庵」


紀伊大島「福樹」:2022.12.閉業した模様
紀伊大島にオープンしたジビエ(冬季)と蕎麦の店。開放的な民家の中でいただくような趣。テーブル席。手打ちだが麺もつゆもすっきりきれいな印象。申し出なければ蕎麦湯は出されなかった。ワンオペなのでゆっくり待つ。場所は島の最東端の樫野崎公園の入り口付近なので、灯台などの見学時に昼食をとるなら「ラパン」かここかの選択になる。マグロも置いてある。白浜から70分。


紀南のおすすめ飲食店:第2回<蕎麦編>
田辺市「弘力庵」:
正式には「めはり本舗三軒茶屋弘力庵」。田辺市の市街地にある。駐車場側(裏口)は栄町通りに面するが、店表(玄関側)は徒歩で。料理屋か邸宅のようなたたずまいに巨大な暖簾。立派な上がり框があって靴を脱いで襖を開けて座敷に上がる。そう書くと大仰なようだが旅好きで気さくな夫婦がしつらえる気持ちの良い空間。慣れるまで読解しにくい独特のメニュー表で注文。蕎麦はもちもち弾力があって(海藻入りなのか)色黒で独特な感触。本来Aの好きなタイプの蕎麦ではないはずが、なぜか後を引く。天ぷら、シラスなど他の料理も美味しい。宿も兼ねている。


紀南のおすすめ飲食店:第2回<蕎麦編>
新宮市「くまの庵」:
新宮市と海を見晴らす高台にある。庭は花と木でいっぱい。丁寧な蕎麦は更科系二八で私たちには少し優しすぎる。主人は脱サラして高橋名人に教えを乞い、新宮で開店されたそうな。自家製粉ではない。木の葉の形の蕎麦がきはおすすめ。江戸・東京との関係が深かったはずの新宮だが、これといった蕎麦屋は見つからない。食べたくなればここしかないだろう。


龍神村「和わく」:
田辺市龍神村ではソバ栽培が行われている。この地元ソバがコンスタントにいただけるのは道の駅龍游の食堂「つぐみ食堂」と本店だけ。道の駅から2km北へ進み、国道424号の甲斐ノ川で右折し、急な坂道を少し下れば旧保育所を改造したかわいい建物がある。ただし縁がなくて営業時間に行けず未踏のまま。




方針と注意書き
・私たちの店選択の基本方針は、まず美味しそうなところ。次になるべく安心な
材料を使っているところ。また、経営者たちが頑張ってるところ。そしてできるだけ地元民や
地元資本が経営する店に行き、ささやかながら地元にお金を払うことです。

・紀南とは和歌山県の南部です。熊野エリアも含みます。具体的には印南町以南となります。ただし、ここでは一部三重県や紀北に属する店も書いています。
・実地に訪問した飲食店等のリストです。
(ごく一部に未踏=未訪問だが必ず行
く予定の店があります。)
 
・ほとんどの店は夫婦で訪問しました。A(夫)が文を書き、K(妻)が
監修、補足、訂正しています。
 
・紙面の都合で住所など情報は最小限としました。この文をきっかけとし、詳細は各自で調べて下さい。

・同様の理由で不鮮明な(小サイズの)写真ばかりで申し訳ありません。
・詳細記事→店名になっていれば、それをクリックしていただければ別の詳しい記事とリンクできます。こちらでは写真も鮮明です。
・店には原則駐車場が有ります。無い場合はその旨書きます。
・コロナ禍による諸変更は逐一追跡できていませんし、言及していません。



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Posted by gadogadojp at 20:00│Comments(0)飲食店グルメ
 
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