「青葉」:神戸の台湾料理

2009年07月26日

「青葉」:神戸の台湾料理

  蒸し鶏〜もちろん軟骨までカリリと噛み砕きましょう

神戸の底力の一つは、
台湾/中国パワーなのかもしれません。

ちょうど、大阪のそれが、
韓国/朝鮮パワーであるように。

神戸「南京町」は、
廣記商工さんや和記、堂記さんなどの老舗が核になって増殖した観光街。
他府県からの観光客は、あたりまえのように「南京町」で食事をとります。

でも、もともとは、ここから北の山裾に及ぶ一帯に、中国人がたくさん暮らし住み、日本人と混じりあったゆるやかなチャイナタウンを形成していました。
中国人や台湾人の世代間で代々引き継がれた家業、文化が、神戸の街を下支えしているのだと思います。

今でも、美味しい台湾/中国料理を食べるなら、「南京町」よりむしろJR北側一帯に素晴らしい店が林立しています。

その一角、元町駅北側の小路に、『青葉』という台湾料理の名店があります。
ここは私に(高架下の『丸玉食堂』さんと並んで)台湾料理への目を開かせてくれた店です。


「青葉」:神戸の台湾料理

  腸詰(台湾ハム)


昨日ひさしぶりにうかがうと、
話し好きな女将は健在でしたが、
厨房からでて来られたのはまだ若い息子さんでした。

親父さんは引退されて、
孫の世話に専念しておられるそうです。

親父さん夫婦が台北近郊から日本に来られて、
この小さな店を出し、
日本のユズと出会って、
名菜「柚子白菜(ゆずはくさい)」を案出されたことは、
神戸の台湾料理好きならみんな知っている有名なエピソードです。

店は相変わらず「台湾のイナカの食堂」としか言いようのない風情のままで、
色あせたメニューの短冊はデコラの壁に貼られたまま朽ちてしまいそうです。


「青葉」:神戸の台湾料理

 



大地震のあと、北京料理の『神仙閣』で働いたこともあるという息子さんは、
無口な親父さんとちがって話好き?
日本語が上達されないままのお母さんと違って、当たり前のように流暢な関西弁と台湾語、北京語を操ります。

台湾に里帰りした時の思い出を話してくれました。
屋台の料理がおいしいこと、台湾チューインガム(ビンロウの実)が不味いこと、臭豆腐(美味!)をいやがる日本人が多いこと…
数回の台湾旅行ですっかり台湾ファンになった私たち夫婦と話が弾みました。
私たちも淡水の豆腐料理アーゲーやデザートの魅力、あるいは台東の街の気持ちよさを持ち出しました。

料理は四品頼みました。
蒸し鶏〜白ネギと醤油だけの味つけでさっぱりと。
腸詰め〜ピリ辛みそ味に腸詰め(台湾ハム)。香ばしさがたまりません。
柚子白菜〜排骨(あばら)肉入り 。肉が入らないともっとあっさり仕上がりますが、見事なコクと香り。
炒飯〜台湾ならビーフン、と女将の誘導もありましたが、私たちは朝食にビーフンを食べたので悪しからず。
ビール大ビン一本と合わせて4200円也。


「青葉」:神戸の台湾料理

  柚子白菜(排骨肉入り )


息子さんが調理した料理は、
親父さんのそれに遜色の無いあっさりしながらコクのある台湾料理でした。
わずかに味が濃く深くなったように感じたのは、
私の気のせいなのか、それとも息子さん流の微妙な工夫なのか。


「青葉」:神戸の台湾料理

  炒飯


いずれにせよ、
まったく飾り気の無いこの店の、
まったく飾り気の無い料理が、
台湾生まれの親父さんから日本生まれの息子さんへと、
しっかりと引き継がれていることを確認出来て、
神戸の街にまた何か大事なことが一つ根付いた感がして、
なんだか胸に迫るものがあった昨夜の夕食でした。

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Posted by gadogadojp at 18:30│Comments(0)グルメ
 
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