伊せや：湯の峰温泉の清々しい宿
2010年03月25日
「花や木の宿 伊せや」は、
熊野の名湯古湯、湯の峰温泉の老舗旅館です。
湯の峰温泉は、熊野本宮から国道311号を走って2.5㎞ほどの至近距離にあります。
おそらくこの温泉自体は非常に古くから知られていたと思われます。けれど、
熊野本宮に詣でるには、必ずここの湯に入って湯垢離（ゆごり）、禊（みそぎ）を済ませてからでなければならない、などという決まりは今もありませんし、
たとえば15世紀小栗判官の時代に掟のように定まっていた、と考えることはできませんが、
いつの頃からか、なんとなくそれが最善のルートのように考える人々が増えてきたのでしょう。
いよいよ今夜は（明日は）本宮大社に参る、というその前に、何をしておきたいか、どう態勢を整えたいか、と先人たちも考えたでしょうから。
私たちも、今回熊野本宮にお邪魔するにあたっての宿泊場所に、
この湯の峰温泉を選んだのでした。
ただし、参詣の後でした：笑
でも決して、本宮参拝が温泉の態勢準備ではなかったのですよ：笑
率直に言って、湯の峰温泉の旅館に宿泊するのはやや高くつきます。
一万円内外で宿泊できればよいのですが、ここ伊せやさんの標準的な部屋に二人で宿泊して、
一泊二食で35700円（入湯税別）必要でした。
もう一歩べんきょうしてほしいところ。
もう一軒の老舗旅館で木造の風情のある「あづまや」さんに泊まっても、同じくらいかかります。
他の旅館や民宿もあり、そこではもっと安く泊まれるのですが、
やはり肝心の浴室その他の施設面を考えるとコスパが良いとはいえません。
もちろん温泉だけが目的なら、
小さな温泉街ながら素泊まり可の宿もありますからこれを利用し、
泉質の良い共同浴場で湯につかる、という方法もあります。
予算面重視の方は検討なさるのもよいかと思います。
ただ、この「伊せや」さんは、
平成に入ってからリニューアルされた比較的モダンな宿。
その名の通り随所に花が美しく活けられていて、掃除も行き届き、
宿自体が清々しい印象で、
温泉はもとより料理も上々ですから、
こざっぱりした宿のお好きな方は、
一泊の価値が十分にあると私は考えています。
夕食です
巻頭の全景写真も参考になさってください。
牛肉の質がよかったです。
他の料理もそれぞれが小振りに作られていて、女性でも食べやすくなっていました。
たとえば焼き魚はサワラではなく、あっさり小さめのサゴシでした。
旅館のポリシーを感じました。
他にデザートやごはんなども。
そうそう、そのごはんがたいへん美味しゅうございました。
わすれちゃいけないアルコール
朝食です
まずは温泉で炊いたおかゆからいただきます。
魚はアジの丸干し。頭からかりりといただきます。
紙鍋では温泉水で湯豆腐。わずかな硫黄臭も調味料。豆腐の表面がほどよく
くずれて美味。
卵は温泉固ゆで卵。
青竹風の器の中には、温泉で蒸された野菜。
部屋は豪華ではありませんが清潔で、小さいながらも次の間と屋内ベランダ付きで広さは十分、
良い居心地でした。
眺望はあまりききませんが、これは湯の峰ゆえしかたがないところ。
トイレがウォシュレットでなく、便座がひんやりしていたことが唯一の難点でした。
（ドアをあけて、部屋の暖房で少しでも、とケナゲな努力をいたしました。この料金ならせめて便座に暖房を。）
部屋の写真は撮影を忘れましたので、旅館のHPでご覧下さい。
私どもの部屋は、最上階の「山椿」でした。
温泉は木、石、露天（とはいえ、開放感には乏しい。狭い土地ゆえ仕方ないが。）の三カ所。
三種の源泉が引かれていて、いい湯です。
（水がさされていると思われます。）
20:30に男女入れ替えます。
当然写真はありませんので、これも旅館のHPでご覧下さい。
なお、女将さんご主人をはじめ、サービス面では心のこもった暖かさを感じさせてくれました。
「花と木の宿 伊せや」
和歌山県田辺市本宮町湯の峰102
0735-42-0008
なお、有名な「つぼ湯」と共同浴場については稿を改めます。
追記に地図を貼付けておきます。
Posted by gadogadojp at 18:30│Comments(0)
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