美榮:美らさ清らさ
2011年01月29日
琉球料理「美榮」
手入れの行き届いたゆかしい赤瓦の古屋で、
どれだけ手間ひまをかけたか想像を超える料理が、
美しい琉球漆器に盛られ、
目で楽しみ、
舌で味わう。
食材の吟味、
調理、
出汁、
まごころがこもり、
申し分がない完成品。
接客も気持ちがいい。
所作や料理の案内も奇麗だが、
一階の厨房と二階の客室が、
一本の糸で結ばれているような心地になるのがすばらしい。
最後にいただいた女将の見送りも、
まことに温かく清々しい。
稀な体験ができました。
思い出しても少し震えが来ます。
以下、2010年末にいただいた、7000円コースのすべてです。料理名は若干の間違いがあるかと思いますし、省略もしております。
泡盛は「瑞穂」の古酒を頼みました。もちろんカラカラで供されます。
端麗でかつ味の豊かな酒で、料理によく合います。
豚肉料理が二品運ばれます。器がとても可愛い。
右の<はんちゅみ>(豚肉デンブ)は、台湾では肉酥(バッソー)ですね。中華の技法が琉球に深く根をおろしていることがわかります。
作り置きできる二品がまず運ばれて来る、ということは、泡盛の肴としてゆっくりどうぞ、ということでしょうが、私たちはあっという間にたいらげてしまいます。上品な客とは言えませんね。
<なかみの吸い物>:中味とはもちろん豚の胃や腸ですが、これだけ上品に細く切られているのが驚き。そして臭み抜きのショウガなど不要な下ごしらえの確かさにまた驚き。
どうしても焦点が合わない<地豆(じーまみー)豆腐>:沖縄産ピーナッツと芋葛で調理されたのでしょうか。これも上品です。
ほのかな甘みのある<ポーポー>で舌の気分を変えます。
しかしこの配色とデザインは衝撃的でした。
思わず破顔してしまったゆるいgadogadoです。
貧弱な腕前のカメラマンを拒否する料理の数々。
黒い<みぬだる>は豚肉を黒ごまなどで漬け込んで蒸し上げる料理で、我が奥様の得意料理ですが、ここだけの話、格が違いましたね。内緒ですよ。
おかわりしたい<らふてぃー>:付け合わせはゴーヤと鶉(うじら)豆腐
<耳皮(ミミガー)さしみ>:おなじみの沖縄料理ですが、口当たりがとてもいい。
<豚飯(とんふぁん)じゅうしい>:焦点が合わないので苦し紛れに箸を乗せました。出汁茶漬けでいただきます。おみごと。
<パパイヤぬか漬け>
甘味は黒糖のゼリー
この店を知ったのも「てだこ亭」のHPでした。
エッセイストの故古波蔵保好(こばくらよしやす)氏の妹さんが女将だとか。
う〜ん、なんとなく最近、沖縄内のすてきなリンクの中に組み込まれて遊ばせていただいているような気がしてきました。
ある年齢を超えた方なら、
伝統的な沖縄/琉球料理をいただくには最適の店です。
沖縄のもてなしの心を知る上でも、一度は訪れる価値があります。
私の旅の服装はジーンズにスニーカー。
でも本当はもう少し改まった服装で客としての心映えを示したいところです。
その実、豊永盛人さんの張り子が似合う、ゆるりとした気さくな店なのですけれど。そういえば豊永さんもリンクの一環。
「美榮」のHP
「琉球料理 美榮」
沖縄県那覇市久茂地1丁目8-8
TEL.098-867-1356
■営業時間
昼の部/11:30-14:00
夜の部/18:00-22:00
■定休日
日曜 / 年始 / 旧盆
和室4部屋 / 洋室1部屋(個室)
Posted by gadogadojp at 18:30│Comments(0)
│グルメ