花小宿:有馬温泉の佳宿〜その2

2012年03月29日

「花小宿」には二つの浴場があります。
それぞれ貸し切り使用になっていますし、一グループ二部屋までの利用が原則のこの宿ですから、広々としているわけではなく、露天もありません。

温泉はいわゆる金泉です。
HPによりますと、源泉はすぐそばの御所泉源と少し上手の妬(うわなり)泉源ですから、たいへんに新鮮な湯に入ることができるという理屈です。
もちろん源泉掛け流しですが、湧出する湯が熱すぎる場合は加水することもあるそうです。
別に清潔透明な上がり湯(これは循環式)が用意されています。金泉入浴後に洗い流すことが有馬入浴の定石です。

浴室は決してモダンさとか高級感のあるものではなく、湯煙に包まれたやや薄暗い中での情緒を楽しむタイプです。
流行のスパに慣れた方にはいささかたじろぐ風情かもしれませんが、
療養温泉や山奥の一軒宿が好きな私には、これはいかにも温泉、というイメージが維持されて好ましく思います。

なお、部屋に用意されたタオルを持って入浴します。
この点もシンプルです。


花小宿:有馬温泉の佳宿〜その2




有馬温泉の金泉(含鉄塩化物泉)は特殊、少数派の温泉です。
一般の温泉は、地下水がマグマ熱によって温められた温水なのですが、
この金泉は、
「太平洋(南海トラフ付近)の海水を起源とする(wiki)」湯、つまり、プレートの裂け目の深部からわき出す湯である、と言う説が有力なようです。
同じタイプの謎の湯は、泉質は異なるものの、和歌山の湯の峰温泉や新潟の松之山温泉など数少ないそうです。
つまり、有馬温泉は、火山活動と無縁な温泉であり、どうやら地球の神秘?が生み出す湯。
だとすれば、湯の峰温泉付近に熊野本宮があるように、ここ有馬の湯は、はやりの語を使えば、文字通りパワースポットに位置するとも言えるでしょう。

いずれにせよ、有馬の金泉の入り心地は独特である、と私は感じています。
刺激はないのですが、肌からしみ込んでいく何かを感じます。
これが心地よい時、有馬は今の私に適している、と思えば良いように思います。

源泉により、あるいは源泉からの距離により、またはその日によって泉質が変わる事もまた当然です。
若い日によく入っていた兵衛さん(向陽閣以前の川沿いの宿)の金泉は、タオルにしみ込んだ鉄の茶色はすすいでも消えなかったのですが、
ここ花小宿さんのタオルは、少なくともこの日は、すぐにすすげば白さが戻りました。
こういう違いも楽しい、有馬の湯です。


花小宿:有馬温泉の佳宿〜その2



二つの浴場は作り、ハード上の機能が異なります。
玄関から見て右側の浴場(写真上)と比べて左側の浴場(写真下)には手すりがついていますので、
足の弱い方でも入浴しやすくなっています。



花小宿:有馬温泉の佳宿〜その2

  風呂のカギ:中から差し込んで貸し切りにします


花小宿:有馬温泉の佳宿〜その2

  ロビーの無いこの宿ですが、浴室の前にベンチが置いてある等、くつろげる工夫がしてあります。


「花小宿」の記事は続きます。次回は食事をとりあげる予定です。



同じカテゴリー(宿/ホテル)の記事

Posted by gadogadojp at 18:30│Comments(0)宿/ホテル
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。