ヴィノシティ:神田のワイン居酒屋

2013年05月03日

ヴィノシティ:神田のワイン居酒屋




その昔、神戸を出て東京の大学に通っていた時、
「東京には三宮(註:神戸最大の繁華街)が十個ある!」と驚いたものでした。

山手線だけでも、新宿、渋谷、東京、上野、池袋…
それに六本木、銀座…

そんな時、喧噪の街で生き抜くことに懸命だった時、
東京と上野にはさまれた神田駅周辺に私は目もくれませんでした。
そういう余裕はなかったと、というべきでしょう。
当然、あらゆるブームとは無縁でした。


ヴィノシティ:神田のワイン居酒屋

    盛り盛りのスパークリング


今回、神田駅近くのホテルに三泊滞在し、
夕食一回くらいはホテルから歩ける場所でとろうとして、
妻がネットから探し出した店がここ「ヴィノシティ」でした。

いい店に当たったと気を良くして、
帰宅後に口コミ情報をあれこれ読んでみると、
予約の取りづらいたいへんな人気店であることを知りました。


ヴィノシティ:神田のワイン居酒屋




こういう店がぽつんぽつんと点在する神田の町を少し知った私は、
他の「地味」な町にもきっと同じように魅力的な店があるはずだと気が付き、
あらためて、東京の町の奥行の深さがわかりました。


ヴィノシティ:神田のワイン居酒屋




店名「VINOSITY」とは、ホームページによると、<ワイン好き>という意味だそうです。

用意されているワインの産地は
南アフリカ、チリ、ニュージーランド、オーストラリア、日本。
そしてドイツ、スペイン、イタリア、フランス…

市場価格で一本1000円程度から2500円程度のボトルの中から、
しっかり目のうまいワインを中心にセレクトして供しておられるようです。
そのリーズナブルでバラェティに富む楽しさがこの店の最大の魅力です。

グラスワイン用のボトルも多数。
客席から見えるように、白は氷に刺し、赤はテーブルに並べておいてあります。
(季節は三月末でした)


ヴィノシティ:神田のワイン居酒屋




フロアスタッフのワイン知識とそれを客に伝える能力は、
少なくとも私のようなワインの素人にとっては十分なようにお見受けしました。
ただ、関西弁のニュアンスが伝わりにくいようでしたが、
それはスタッフの責任ではありませんね。(笑)

忙しい中、総じて丁寧でフレンドリーな接客でした。
そうあろうと努めている硬さを少し感じましたが、これも、
関西接客のスタンダードから私が見ているせいだと思います。


ヴィノシティ:神田のワイン居酒屋




昨今のバルブームの店々と同様、
たいへん窮屈な座席配置ですから、
周囲の客席の賑わいが直接に響いて来ます。
東京で暮らす若い人たちがいま、どのような場所を求めているのかが熱気とともに伝わって、それはそれでいいものでした。
ただしここはいかにも東京の店。隣の席の見知らぬ客同士が打ち解け合うモードにはなりにくそう。
店のスタッフと客との関係性もどうしても希薄になります。
この客たちが十年先この店に通っているかどうか、やはり一抹の不安を感じながらワインを楽しむ私でした。


ヴィノシティ:神田のワイン居酒屋




関西に、大阪に、ここと似たコンセプトの店はあるはずです。
けれどこの神田という町にあることが私の気を惹いた最大の要件になりました。
また、そこに客が押し寄せているという事実はいろいろ考えさせてくれます。
大阪にも神田に似たポジションの町はありますが、こういう店とこういう活況は見られないでしょう。
それが良いことかそうでないかの判断は、保留しておきましょう。


料理はもちろんイタリアン。
どれもこれもワインに向いた品揃えでしたが、
この夜に選んだ料理からは、食べて!という念波(笑)は届きません。
第一に、やはりワインを楽しむ店なのでしょう。
これが特長であり、
これが弱点になっていくような気がします。


ヴィノシティ:神田のワイン居酒屋

焼き野菜のジェノベーゼソースがけ

ヴィノシティ:神田のワイン居酒屋

こちらは妻が後日調理した自家製。率直に申せば、こちらの方が美味かった。


店を出るとき、店長?が入口まで見送りに来て下さって、少し立ち話。
心意気が伝わりました。
東京独特の<ブームファッション>に侵されることなく、ワインはもちろん料理(特に素材)にも一層力を込めて精進なさるよう祈っております。
それまでは店舗の展開など、ゆめゆめお考えくださいますな。



ヴィノシティ:神田のワイン居酒屋

入口:ここで立ち飲みする光景もあるらしい


「ヴィノシティ (VINOSITY)」
東京都千代田区鍛冶町2-4-1 佐伯ビル1F・B1F
ドリンク(ワイン・カフェ等)
15:00~翌4:00(L.O.03:30)、土曜は~23:00(L.O.22:30)
フード
17:00~L.O.翌3:00、土曜は15:00~L.O.22:00

日・祝定休。それ以外に貸し切り日あり





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Posted by gadogadojp at 18:30│Comments(1)グルメ
この記事へのコメント
始めまして、旅行代理を営んでいます沖縄ツアーセンターの与那覇と申します。突然のメールお許し下さい。実は7月12日から14日の期間で長野県ワイナリーバスツアーを企画致しましたのでご案内致します。詳しい詳細を添付する事が出来ませんのでお問合せ下さいますようお願い致します。お問合せ先は沖縄ツアーセンターの与那覇まで、電話番号は098ー859ー7477までよろしくお願いします。
Posted by じゅっち~じゅっち~ at 2013年05月29日 04:48
 
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