淡路翁:淡路島の山中の蕎麦店

2016年05月22日

雲の峰淡路に尖る峰はなく         五十嵐播水


淡路翁:淡路島の山中の蕎麦店




私の故郷、須磨の海辺からはいつも淡路島の東側が見えていました。
海から屏風のようにせりあがった山が連なって見えるのですが、
その高さには変化が乏しく、長い台地のように平坦に見えます。

実際淡路島には海岸平野がわずかしかなく山地が連続しています。
その山地は断層活動が形成した地塁(ちるい)なので、険しい峰がありません。
標高も大部分が100〜400mていど。
ですから、山地であっても水田、畑地や牧草地として十分利用が可能です。
かつての激しい断層活動とは裏腹に、
淡路島が穏やかな印象を持たれる理由の一つです。


淡路翁:淡路島の山中の蕎麦店




島の北端部は現在は淡路市と呼ばれ、そこには最高峰で512mと控えめな津名丘陵が横たわっています。
けれど実際にその地に足を踏み入れると、
遠くから眺めるのとは印象が違う、プチ北海道のような起伏が実感できます。

神戸鳴門淡路自動車道 の東浦ICから約15分~20分ほど、
そのたおやかな獣の背のような曲線を楽しんでドライブします。
その津名丘陵の北端近く、小田というエリアに建つ「淡路翁」を訪ねるために。


淡路翁:淡路島の山中の蕎麦店




看板を頼りにカーナビにもない道をたどると、
山地を背景にしたわずかな平地に、モダンな外見の建物があります。
ここで標高130m台のはず。
駐車場のスペースは十分に用意されています。

人気店なので、記名して店外で待たねばならない時もあるそうですが、
幸いわたしたちはすぐに店に入ることができました。
靴を脱いで上がります。

内装は、外観以上にセンスのいい清々しい空間です。
加えてたいへん丁寧な接客ですから、心地よい時間を過ごせます。


淡路翁:淡路島の山中の蕎麦店




メニューは僅少。冷たい蕎麦切りだけ。
もりそば(700円)は、ざる(細め、白め)のみ。
金土曜日限定で黒め、太めのいなかが加わります。
これらの蕎麦切りを使って、おろしそば(900円)と鴨せいろ(1,300円)も用意できます。
メニュー写真にあるたまごとじやそばがきは現在は供されていないようですが、お確かめください。
おろしの大根はもちろん辛味大根です。


淡路翁:淡路島の山中の蕎麦店

酒がおいしそう。車で来るしかない客には少々辛い。


わたしたちはいなかを注文しました。
内装やまどの外の風景を眺めながら待ちます。

運ばれた蕎麦は見た目が意外にしなやかな曲線を描いています。
ツユなしで食べてみると、その食味は力強さが過剰でなく、マイルドと言っておきましょう。
ツユは翁系列らしい、出汁が勝った濃すぎないもの。
ドプンとまではいかないものの、それなりに麺を浸したほうが私には好み。
薬味はネギの白い部分とわさび、少量の大根おろし。
ネギはそば湯まで使わずにおきました。


淡路翁:淡路島の山中の蕎麦店




翁達磨系列の蕎麦がお好きなら、もちろんおおいにおすすめです。
種物の献立はありませんから、がっつりランチを所望する方には向きません。
ここまで足を運んだのですから、一枚では足りず、二枚以上の注文が標準かもしれません。


淡路翁:淡路島の山中の蕎麦店





店のホームページ


0799-70-4201
予約不可
兵庫県淡路市小田1157
※カーナビ使用の際は住所で検索
11:00~15:00
月曜日定休
(祝祭日、お盆、ゴールデンウイークには営業。その場合振替休日あり。)
駐車場有


淡路翁:淡路島の山中の蕎麦店




「淡路翁」は車でないと難しい場所にありますが、やや特殊な行き方を二つ挙げておきます。
1)神戸淡路鳴門自動車道 高速バス 本四仁井バス停で下車。徒歩20分ほど。
2)淡路市のコミュニティーバスでもっとも近い場所で降ろしてもらい、徒歩。
  正確なバスルートがわかりませんが、この場合も徒歩20分ほど必要でしょう。
共に少々起伏を上下しますので、一般的なルートではありません。



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Posted by gadogadojp at 11:00│Comments(0)グルメ
 
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