石窯パン工房 愛(まな):野趣溢れるパン屋さん

2011年07月01日

石窯パン工房 愛(まな):野趣溢れるパン屋さん



石窯パン工房 愛(まな):野趣溢れるパン屋さん




石窯パン工房 愛(まな)

軽く驚きました。
この先は山道を辿って和泉葛城山に向かうしかない深い森の道沿いにパン屋さんがあったことに。

大阪府貝塚市は南北に長く市域があり、南端は和歌山県に接していますが、
その山道の最後の集落を蕎原と言います。
蕎原はそぶらと読み、蕎麦原(そばはら)が転訛したと言われます。
近木川(こぎがわ)という水の豊かな川の流域にあり、現在は狭隘ながらも丹精こもった棚田に稲が育っていますが、
往時は蕎麦畑だったのでしょうか。

その蕎原集落の更に奥に「そぶら山荘」というアウトドア施設があるのですが、
どうやらそのご家族がパン工房を始められたご様子。

私はたまにこの蕎原付近を車で通ることがあるのですが、
今回初めてそのさらに奥に進み、店を見つけたのでした。





石窯パン工房 愛(まな):野趣溢れるパン屋さん



石窯パン工房 愛(まな):野趣溢れるパン屋さん



石窯パン工房 愛(まな):野趣溢れるパン屋さん





「そぶら山荘」では川遊びやバーベキューができ、休日や夏休みにはきっと家族連れでにぎわっているのでしょう。
けれど平日にわざわざ訪れる人が多いようには思えませんでした。
それなのに多様な品揃えのパンやピザが並んでいます。
これはたいしたものです。

この店「石窯パン工房 愛」の特徴は、米粉を多用して小麦粉の使用を抑えたパンを石窯で焼くところにあります。
店内には手作りの大型石窯が設置されています。
店でパンをいただく場合、この窯(かま)で温め直してくださいます。
私はアンパンを一つだけ温めていただきました。
表面がパリリと熱くなり、内部がほんのり温まった状態でいただきました。
私の乏しい経験では、米粉パンはやや焦がすくらいが旨いと感じています。
ですからこの食べ方は秀逸です。
ここでは、ぜひとも店内で温め直されたパンなりピザなりを食べてみることをお薦めします。


石窯パン工房 愛(まな):野趣溢れるパン屋さん



石窯パン工房 愛(まな):野趣溢れるパン屋さん




山荘には南米由来の鶏アローカナが飼育されていて、
その独特の淡い青緑色の卵も販売されていました。
一個120円です。(HPには150円と書かれた写真が掲載されたままですが)

アローカナは年間産卵数が少なく、コレステロール値が低く、臭みがないと言う定評がありますが、
卵の臭みや栄養価は飼育方法に左右されます。
一般的な白色レグホンの鶏卵でも、良い飼育がされていれば美味しいものです。

屋外放鳥飼育で良質のエサを食べているアローカナ卵なら120円でも高くはないという考え方もできますが、
売り場にはそういう情報が表示されていません。
アローカナという希少価値だけでは、さてどうでしょう、ここまでパンを買いに来られたお客さんには、卵は80〜90円くらいまで下げていただきたいと正直感じました。

石窯パン工房 愛(まな):野趣溢れるパン屋さん




石窯パン工房 愛(まな):野趣溢れるパン屋さん



もう夕方近くなった雨模様の日でしたので、
近木川(こぎがわ)と「そぶら山荘」の姿は煙ったように写りました。

この川の下流を走る水間鉄道には近義(こぎ)の里という駅名があります。
近義(こぎ)とは、新羅系王族渡来人の子孫近義(こぎ)氏由来の地名だと考えられています。
彼らがこの貝塚(もとは海塚)市の中心地域を開拓したものと思われます。
しかし詳しいことはまだまだ謎のままです。
私がこの日、この川の上流に向かったのも、この渡来一族の名を残す近木川の上流を見てみたく思ったからでした。

近義氏にとって開拓の命綱であったはずの近木川の上流では、
かつて必ずこの一族によって水を守る祭祀が行われていたに違いないと考えた私は、
その祭祀址の片鱗でも残っていないかとふと思い立ったからでした。

車で通過しただけのこの日に、それを発見することはもちろんできませんでしたが、
かわりにこのパン工房と出会ったのでした。


石窯パン工房 愛(まな):野趣溢れるパン屋さん

蕎原集落付近を流れる近木川。この日は雨上がりで、水はやや白さを増していました。



自宅に持ち帰ってトーストで温め直したパンもおいしくいただきました。
泉州の川沿いの石窯パン屋さんとしては、父鬼街道の「花菜」とテイストが似ていますが、
こちらはさらに山深く、野趣溢れています。

店までの道は一部細い道を通ります。
けれどその分、サイクリング愛好家がよく訪問する、と後で知りました。

アウトドアな気分の時には最適な店ではないでしょうか。



石窯パン工房 愛(まな):野趣溢れるパン屋さん





「石窯パン工房 愛(まな)」
072-478-2660
大阪府貝塚市蕎原772 そぶら山荘
9:00~17:00
無休
駐車場有
喫煙可

最新の情報はこちら→「石窯パン工房愛ふたたび」



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Posted by gadogadojp at 18:30│Comments(6)飲食店
この記事へのコメント
重藤さんこんにちは。
良いところですよね。
「そぶら」の語源ですが、文中にも書きましたように、
「蕎麦原(そばはら)」が「そぶら」と変化したのではないかと聞きました。山間部を開墾し、ソバを栽培していたというわけです。ただその説の真偽はいまのところ確かめようがありません。
Posted by gadogadojpgadogadojp at 2017年02月11日 12:58
味よし、雰囲気よし、気前よし、でわくわく時間を過ごさせて頂きました。
ありがとうございました。

「そぶら」の意味を教えて下さい。
Posted by 重藤悦男 at 2017年02月11日 01:31
乙葉さんいらっしゃい。
そうですか唐揚げが。それは楽しみ、久しぶりに行ってみますか。
情報ありがとうございました。
Posted by gadogadojpgadogadojp at 2013年05月12日 01:03
知り合いに教えてもらい、昨年初めて行きました。毎週日曜日は年配の人達のグループで親父バンド?が、懐かしい歌を歌ってくれたりと、とても楽しく過ごせますよ、パンも美味しいですが鶏肉の唐揚げは最高でしたよ。バーベキューも出来るので夏場は子供つれで楽しめます。今年も孫を連れて行きたいと思ってます。
Posted by 乙葉 at 2013年05月11日 23:43
ちと遠いですね、futoQさん(笑)
Posted by gadogadojpgadogadojp at 2011年07月07日 20:47
素敵なところですね~!
このあたりには行ったことが無いのですが、
覚えておいて、是非行ってみたいと思います。
Posted by futoQ at 2011年07月06日 10:32
 
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