アマンダリの面目:アフターヌーンティー

2011年08月10日

アマンダリの面目:アフターヌーンティー



アマンダリの面目:アフターヌーンティー





さて、話題の方向を一旦
「アマンダリ(amandari)」に向けてみましょう。

かつてスーパーセレブしか受け入れないイメージがあったこのホテルも、
最近では子連れ客を受け入れるなど、敷居が下がってきたように思います。

昨今は本当に様々なリゾートホテルが誕生しています。
バトラーがつきっきりでサービスをしてくれるホテル、
この世のものとは思えない極上の景色を部屋から楽しむことのできるホテル…

アマンダリはそのような特徴を持ちません。
それでもアマンダリは未だに
世界のリゾートの最高峰の位置を譲っていないはずです。
なぜなら、アマン系列のホテルの中でも、
ここアマンダリは突出したコンセプトを樹立し、維持し、
これに起因した魅力で宿泊客を包んでいるからです。

その至上のコンセプトとは、わたしが考えるに、
地元との協調と融合です。
アマンダリは浮き世と隔絶した小宇宙のように見えながら、
そのバックに地元バリが、
とりわけ立地するケデワタン(KEDEWATAN)村の伝統と生活が控えているからです。


アマンダリの面目:アフターヌーンティー



アマンダリの面目:アフターヌーンティー




ホテルの案内によれば、
従業員の7割はケデワタンなど近郊の村の出身者だそうです。
朝7時半頃に散歩に出かけると、
バイクに乗った従業員たちが、私服で続々と出勤してくる姿と出会うはずです。
彼らはどうみても普通のバリの村の青年男女にしか見えません。
しかし制服を着用するや、レストランで、フロントで、
最高のホスピタリティーを発揮しようと努めるのです。

庭園管理や営繕、清掃のスタッフたちも同様です。
彼らは上手な英語を話す等は苦手な裏方さんたちですが、
ホテルは敢えて彼らを隠しません。
その彼ら、制服は着用していますが、いかにも村人という風情の彼らも、
客とすれちがえば、目が合えば、笑顔で簡単な挨拶を交わしてくれます。
これはバリ人の伝統的な礼儀作法なのですが、
今時のバリの街中では失われつつある人間関係です。
わたしは彼らが好きです。
彼らを隠さないアマンダリの方針が好きです。


アマンダリの面目:アフターヌーンティー




このようにアマンダリというホテルは、
その地元との協調と融合というポリシーのおかげで、
無機質だったりアイデンティティが感じられない<パラダイス>にならずに済んでいるのです。
バリ文化と伝統に立脚した、心のこもった、適度な距離感を保ったサービスを味わいながらステイできるのです。
少なくともわたしがこの高級ホテルを愛する最大の理由はそこにあることに、
今回の滞在で気付かせてもらいました。

わたしは<リゾート>に宿泊しているのではなく、
<バリ島のリゾート>に宿泊しているのです。

他国の調味料を使ってスープを作るのではなく、
この地の素材で出汁を作り、コクを出しているのです。

このようなアマンダリの方針を、
さらに如実に象徴的に表している催しが、
アフターヌーンティーです。

高級リゾートならどこででも実施されている、
英国由来のあのアフターヌーンティーのことではありません。
もちろんアマンダリでもそのような<正式な>メニューも用意されているのですが、それは有料です。

それとは別に、無料で、
地元のイブ(奥さん)たちの手作りローカルスイーツを、
イブたちの笑顔を見ながら、イブたちのサービスで、
プール近くの芝生の上でいただくことができるのです。

妻がしきりにこのアフターヌーンティーに行きたがるのですが、
それはなぜだろうと考えたことが、
この文を書く契機になりました。


アマンダリの面目:アフターヌーンティー



アマンダリの面目:アフターヌーンティー




アマンダリの利益追求のための<戦術>とは感じられないのです。
なぜなら、イブたちは自分のもてなしやローカルなスイーツを、
決して卑下している様子を見せないからです。
それは、睡蓮池のわきで睡蓮を刈る鎌を研いでいるおじさんも同じです。
彼らは単なるローカル色の味付けではないのです。
だからわたしたちはやましさなど感じず、
彼らのサービスや笑顔を受け入れられるのです。
アマンダリはこのケダワタン村の一員だというコンセプトの成功です。

(ただ、ローカルなアフターヌーンティーをいただく欧米人客がとても少なく見えました。彼らはこのホテルをまだ理解していないのでしょう。ちょっぴり残念です。)

最後に、これはよく知られていますが、
上記の例としてもう一つの催しを紹介し、
アマンダリについてもっとも書きたかった今回の記事を終えます。

アマンダリでは、村の少女たちに、
ダンスを練習できる場所と観客(わたしたち)を用意しています。
下の写真がその光景です。
懸命に振り付けを修正したり、
退屈したり疲れたり、
化粧をほどこした姿を見てもらいたくてたまらなかったり…
可愛いですよお。



アマンダリの面目:アフターヌーンティー



アマンダリの面目:アフターヌーンティー






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Posted by gadogadojp at 18:30│Comments(2)宿/ホテル
この記事へのコメント
萌音さん、いらっしゃい。
お褒めの言葉をありがとうございました。
またどうぞいらしてください。
ブログにも、アマンダリにも。
Posted by gadogadojpgadogadojp at 2014年02月23日 12:21
こんにちは。楽しく読ませてもらいました。写真が綺麗でオシャレなブログですね。このブログを今後も参考にさせてもらいます。ありがとうございました。
Posted by 萌音 at 2014年02月23日 07:37
 
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