「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露

2017年11月23日

「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露

「朴」の美味しい天然酵母パン


2021.9.1情報
コロナ禍のもと、当分の間ここ「カフェ朴」は休業し、姉妹店「ねむの木食堂」に一本化して営業されるという知らせが届きました。



近露(ちかつゆ)はすがすがしい場所です。
それは、熊野路の近露王子が「参詣に備えて身を清浄にする霊場となっていた(wiki)」
ことと無縁ではないでしょうが、
なにより熊野の山中としては珍しく開けた地形が、気持ちを拡げてくれるからでしょう。
重畳たる山々を越えて来た熊野詣のいにしえびとたちも、ここで平地に出会って安堵し、のびやかに清流で沐浴潔斎できたのでしょう。
中辺路としてはここで道ちょうど半ば。はるばる京の都から来たのなら熊野本宮はもうあと一息。
そんなわけでこの地が「近つ熊野(ゆや)」と呼ばれたのではないかと推測しています。※(文末)



「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露

googleMapの3D画像で見ると一目瞭然、日高川(手前が上流)の土砂が谷あいを埋めてできた盆地状の小さな平地に、民家や田畑が広がっています。


「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露

「なかへち美術館」


またこの近露には、「なかへち美術館」という、建物それ自体がアートな小さな美術館が建っています。
是非ともこの建物の内部にお入りください。
(建築は「妹島和世+西沢立衛/SANAA」の作品です。月曜休館。)



「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露

「なかへち美術館」前のカカシたち。



さて、本日のランチは「田舎ごはんとカフェ 朴」(以下「朴」)と決めています。
いきなり「朴」の駐車場に向かっても良いのですが、せっかくですから少しは熊野古道を歩きましょう。

バスで来られたら近露王子跡にバス停があります。
でも車で来られたらそこに駐車場はありませんから、次の二ケ所が便利です。
1)国道311号沿いに建つ「古道歩きの里ちかつゆ」(「Aコープ古道ちかつゆ店」と共用)に停める。
2)ちかつゆ王子公園(「なかへち美術館」の南側)の駐車場。
後者の方が王子跡の近くにあり、公衆トイレも備わっています。もちろん無料です。



「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露


「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露

道中の通りでは複数の古い看板も見所



近露王子まで来ると、その前の道は熊野古道中辺路(なかへち)。
西に進むと日置川にかかる橋を渡って逆方向の箸折峠に向かいます。ここは右手(東)へ向かいます。
商店や民家が並んでいるその名も道中という通りを進みます。
道中には興味深い店がいくつもあるのですが、ここでは省略します。
郵便局を過ぎるとすぐ五差路の交差点に出会います。


「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露

図中の➕印が「朴」。左下の291表示のすぐ北の石碑マークが近露王子跡。郵便局〒のすぐ右手に五差路が見えます。



交差点では、左手前から2本目の坂道をとります。(ここで古道から外れます。古道は3本目です。)
坂の途中、右手に小さな池、次に左手に墓があります。
そのまま進むと右手にため池が見えます。池に沿って坂道を上がると「朴」の店舗が左に見えて来ます。
王子跡から「朴」まで徒歩五、六分の短い道のりです。



「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露




「朴」の朴は素朴の朴だそうです。
地元出身の店主中峯幸美さんが故郷にUターンし、開いたお店。
店構え、インテリアともに確かに素朴さを感じます。ただしセンスのいい素朴です。
そして料理や飲み物も素朴です。
ただし豊かな素朴です。


「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露

玄米プレートランチ


マクロビオティックの考え方をベースにしている店のポリシー。
”玄米プレートランチ”(1300円)がその真骨頂、アイデンティティーと言えるでしょう。

献立表にはこう書かれています。
『地元の有機野菜をたっぷり使ったランチ 本日のメインと4〜5種のおかず、お味噌汁と玄米ごはんのセットです』
ボリュームたっぷり。
マクロビがベースにあるとはいえ、メインには肉または魚介類が使われますので、ご心配なく。
(ベジタリアン対応も可能だそうです。)

ランチの種類は多くはありませんが、
いずれも純粋でおいしく、野菜の力が感じられます。
自家焙煎のコーヒー(ランチに飲み物は含まない)も上々です。
豆乳ラテ、国産りんごジュース、田辺の地ビールなども用意されています。



「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露

天然酵母ぱんランチ(奥様撮影)

「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露

上記のランチの日替わり:ピザトーストで

「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露

チキンストロガノフランチ(冬季)

「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露




「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露




パン、地元野菜の物販もあります。
天然酵母で焼き上げたパンは香り高く美味です。

店内は土足のテーブル席と靴を脱いで上がる座敷席があります。
5組も入れば満席です。

「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露




ランチどきですと待たねばならないかもしれません。
予約は可能です。
旦那様、お子様との団欒を大切にしている中峯さんは、日曜を定休日にされているのでご注意ください。


「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露





「田舎ごはんとカフェ 朴」
0739-65-0694
和歌山県田辺市中辺路町近露203
11:00~16:00
日・月・火定休


駐車場は店の横に二台。
坂を上りきったところの空き地に数台停められます。

この日、空き地付近の紅葉が見事でした。

「田舎ごはんとカフェ 朴」と近露





中峯さんは近露の活性化に大きな役割を果しておられます。
先日放送されたTV番組でも、「彼女が戻ってきて近露が元気になった」とおっしゃる地域住民の声が。
とはいえ私たちはまだ中峯さんとは挨拶を交わしただけ。ここで知ったかぶりを書き連ねるのは控えておき、下記のYoutube映像だけを紹介しておきます。
皆さんには、近露と「朴」を訪ねて欲しい、とそれだけをお願いしておきます。


Youtube



「朴」には、田辺インターから車で約50分。白浜温泉から約1時間。
バスの場合、田辺駅から近露王子まで約80分の道のりです。





※このアイデアはわたしのオリジナルではありません。考えあぐねていた時「木の国わかやま便り」さんのブログと出会い、わたしの目から鱗が落ちたのです。



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Posted by gadogadojp at 16:00│Comments(0)グルメエリア
 
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