和泉葛城山ドライブに行こう!

2012年05月02日

和泉葛城山ドライブに行こう!

 五本松展望台からの眺望:淡路島や関空が横たわっています


よく晴れた四月末の平日に、和泉葛城山にドライブしてみました

和泉葛城山は、大阪府と和歌山県の境界に分厚いパーティションのようにそびえる和泉山脈の最高峰です。
その頂上付近から西へ、標高800m前後の稜線には紀泉高原スカイラインという名の整備された車道が数km通じていて、特に南方和歌山方向への展望がよく開けていますから、遠く大峰山地を眺めながらのドライブも楽しめます。

ところが、このスカイラインに向かって大阪側から車で登るのは、そう気軽ではありません。
いずれも(場所によっては)1車線の狭い部分があったり、急坂があったりします。
時に落石の跡があり、木の葉が路側に積もっています。
また、鬱蒼と繁る杉林の暗さと木漏れ日の明るさが交互に襲う事で目がくらむこともあります。(晴れの日は要サングラス)
危険な場所はほとんどないのですが、運転経験の少ない方ににとっては、多少スリルを感じる登山ドライブ道となるでしょう。


和泉葛城山ドライブに行こう!




また、展望以外の楽しみはあまり無い場所ですので、晴天で空気の乾いた日をねらわないと虚しい半日になりかねません。
ところがこの山は、和歌山と大阪の平地や谷の境界にしゅっと立つ山ですから、南北からの風の影響を受け、思いのほか見晴らしの良い日が少ないはずです。
(私はその麓につながる丘陵で20年以上働いていますから、山を見ていてそう思うのです。雲がよくかかる山です。)

とはいえ、風を受けやすい山だと言う事は、天候に恵まれさえすれば、素晴らしい展望が待っている事と同じ意味です。
チャンスがあればぜひどうぞ。
今回私が登った道を紹介します。参考まで。



より大きな地図で 和泉葛城山ドライブマップ を表示

略式に作成した地図を元に、ルートを説明します。
地図に旗が四カ所示されています。これは車による登山の入り口を示します。
勝手に名を付けます。
左(西)から、犬鳴(いぬなき)ルート、蕎原(そぶら)ルート、塔原(とのはら)ルート、牛滝(うしたき)ルート。

この内、犬鳴ルートと塔原ルートは、過去にそれぞれお山に拒否された経験があります。
大雨の後の通行止めです。
ですから、今度は蕎原ルートで登る事にしました。


和泉葛城山ドライブに行こう!



大阪外環状線から府道39号、または40号を使って南下し、蕎原まで行きます。
蕎原の信号を南に折れ、集落内の細い道をたどると、すぐにスギやヒノキの植林地帯に入ります。
近木(こぎ)川上流の渓流がさわやかですが、やや光が乏しい暗い道です。

間もなく右手に「そぶら山荘」という施設があり、
この中の「石窯パン工房愛(まな)」の米粉を使ったパンは素朴ですが美味しいので、
駐車場に車を停め、パンを買い、珈琲で一休みしてから出発しました。
なお、和泉葛城山には食事できる店がわずかしかありませんので、ここで買い込んでから登ることをおすすめします。
「石窯パン工房 愛(まな)」さんの記事は改めて書くことにします。
前回記事はこちらです。店の紹介もしています。

和泉葛城山ドライブに行こう!



さらに進むと、橋を渡って道は二股に分かれています。
左の道は車止めがおかれた徒歩登山道ですので、右の道を行きます。
多少の急坂はありますが、山道に慣れたドライバーなら容易に進むことができるでしょう。
やがて道はT字に突き当たります。


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ハイランドパーク粉河


これを左に、五本松方向に進みます。
(右に行くと、先に書いた犬鳴ルートに入ります。)
するとすぐに道は開け、五本松に着きます。
ここには「ハイランドパーク粉河」が設置され、和歌山県粉河町の農産物が売られています。
元気なおねえさんの売り込みにつられ、私はイチゴ、タケノコ、デコポンなど買ってしまいました。(おいしかった)
もちろん、駐車場やトイレもあります。
レストランは休業中のようです。
近くにはキャンプ場もあります。

西南に塔が建っています。「五本松展望台」です。
歩いて数分ですから、行ってみましょう。
ここからは関空方面がよく見えるはずですから。


和泉葛城山ドライブに行こう!



和泉葛城山ドライブに行こう!




展望台は有料でした。(200円 10:00~17:00  火曜定休)
その分清潔でしたが、エレベーターはありませんので、足元の弱い方はご注意。
ガラス窓越しの展望は上々です。大阪平野は見えませんが、関空、淡路島から南の紀伊山地は一望です。


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駐車場までの帰り道に、遊歩道でひなたぼっこ中のヘビ発見。
ヤマカガシかな?猛毒を持つのにとてもおとなしいヘビです。カメラを向けると恥ずかしがって草むらに隠れました。


車に乗って、紀泉高原スカイラインを東に山頂に向かいます。
途中、「ログハウス」という名のログハウス喫茶店がありました。軽食もできるそうですが、立ち寄りませんでしたから、営業中かどうかわかりません。これで食事スポットはもうないはずです。


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展望台が見えてきました。青空に映えてきれいです。
道路に駐車スペースがあります。空いているのでここに停めましょう。
(もう少し進んで分岐を右におれるとすぐに大きな駐車場があります。)

この展望台はみごとに360度の展望が得られます。
無料です。階段だけです。
ただこの時刻には薄いガスがかかり始めたので、私のカメラでとらえるのは諦めました。
どうしても見たかったブナ林に急ぎます。

この山のブナ林はブナ分布の南限に近いと言われていますので有名です。
ご存知の通りブナの木は木漏れ日をたくさん作る木で、その森は明るい魅力に満ちています。
シラカバなどと並んで、高原の雰囲気をよく醸し出します。
同じブナ科の仲間クリと同様、アク抜き不要の果実を育てますから、古代からヒトにもクマにも有り難い木の実だったと思います。

ところが、材木としての有用性が劣っている事もあって、戦後にスギ/ヒノキの植林にとってかわられ、
今や天然のまとまったブナ林は白神山地だけになってしまったとはよく知られた事実です。
この和泉葛城山頂上付近のブナ原生林もずいぶん数を減らしたと聞いています。


和泉葛城山ドライブに行こう!



さて、展望台から葛城神社へ歩き、神社の周辺を探索し、階段を少し北へ下り、
ブナの木を探してみたのですが、よくわかりません。

遠方にそれらしき木を何本か見つけましたが、
この日の足ごしらえではそこまでたどりつけません。
アホウなことに滑る革靴をはいて来た私。
(自宅を出た時には山に来るとは考えていなかったのです。)
おまけに致命的な失策をしています。
私はブナの木を知らないのです。(笑)

いえもちろんあるていどの知識はあったのですが、実際のブナと結びついていない机上の知識。
この丘には似たような灰色の木肌の木がたくさんあり、
ましてまだ若葉が小さく、あの独特の凸凹の輪郭をした葉がわからないのです。

しかたありません。
革靴を腐葉土に踏み入れ、行ける範囲の木の中で一番の高木(上の写真)にハグし、
「キミがブナでなくても、ご近所のブナによろしくね」、と話かけて済ませてしまいました。
行き当たりばったりの行動の限界ですね。


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さて、大木にハグした後は葛城神社(八大龍王社)に戻ります。
この神社については少しばかり考えたい事もありますので、
別の機会に持ち越したいと思います。
でもここまで来られた方は、ぜひお参りください。
ここは何となく良い場所です。
それにここが事実上の葛城山頂ですから。


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山頂付近のヤエザクラはもう終わりかけでしたが、
道ばたにはそこかしこにスミレが満開でした。
下り道にもそこかしこに花が咲き、
私を楽しませてくれました。


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和泉葛城山ドライブに行こう!




頂上付近の広場に遠足に来ていた岸和田市山直(やまだい)小学校の子供たちもいなくなりました。
私は買ったタケノコを炊かなくてはなりません。
帰りましょう。
下山の道は、牛滝ルートを通る事に決めました。
スカイラインの東端(山頂付近)の三叉路を左にとればこのルートになります。

このルートは、往路よりも展望が効く場所が多く、
日当りも良いせいか花もよく咲いていて私は楽しいのですが、
道幅はなお狭く、ところどころ落石が残っています。
注意して通って下さい。

府道40号線に出れば、目前に「いよやかの里」という温泉施設。牛滝温泉です。
わずかに奥に行けば紅葉の名所「大威徳寺」も建っています。
でも私は家路に着きます。
左折してまっすぐ、外環状線をめざします。

思いがけず、気持ちの良いドライブができました。
後部座席からは、「石窯パン工房愛(まな)」のパンが匂っています。



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若葉が美しい牛滝の山


和泉葛城山ドライブに行こう!

竹の秋(季語)も始まっています




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Posted by gadogadojp at 23:10│Comments(0)旅行
 
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