「モネの池」はアジアの池
2016年07月14日

「モネの池」
山深い美濃、飛騨には清流が数多い地域です。
初めて足を踏み入れたここ美濃の板取(いたどり)川流域もそのような場所です。
水清く、山深く、、、それなのにいくら奥まで進んでも、次々と小さな平地と出会い、そこに必ず人の生活が営まれています。
おそらく本当の意味で住みやすい豊かなエリアなのでしょう。おそらく縄文の昔から。

板取川の清流
名古屋、岐阜など南の都市部からこの流域をめざすなら、必ず国道256号と県道81号が出会う洞戸(ほらど)市場という地点を通過します。
吉田茂樹氏によれば(註①)「洞(ほら)」というこの地域独特の地名はおそらく開墾地の意味。
板取川上流にたくさんの⚪︎⚪︎洞という集落地名がありますから、ここ洞戸は開墾地群の入口、というくらいの意味合いなのでしょう。
(アイヌ語で住むところを意味する「ホラリ」語源説も捨て難いのですが。あ、これは素人gadogado説です悪しからず。)
この洞戸市場交差点から国道を北へ8.4km進むと、
「ボン・ダボン」の先、白谷集落の手前にわずかに開けた場所があり、
国道沿い左側に「板取フラワーパーク」の駐車場があって、
小さく「モネの池(通称)」の表示があります。
駐車場に車を停め、道を渡った山際の根道神社の鳥居をめざして歩きます。
ほんの100mも歩くと「モネの池」が見つかりますが、その前に根道神社に挨拶は済ませておきましょう。
根道(ねみち)神社は周辺の小社を合祀していて、その由来、由緒は明快ではない神社のようです。
もともとローカルな神々が祀られていたのでしょう。(註②)
とはいえ、この「モネの池」はこの神社の境内の池なのですから敬意を忘れるわけにはいきません。

「モネの池」
誰が名付けたか「モネの池」はすっかり有名になり、GW中など国道256号(アジサイロード)は大渋滞だったそうです。
見てみると確かに美しい池で、そのネーミングに感服します。
透明度の高い湧き水をそのまま池に流し込み、
村民(信徒)がスイレンやコウホネを植えつけ、
さらに誰かが鯉を放ったため、
写真を撮影したくなる魅力に溢れる池となったのでしょう。
ただし私の妻がこう言いました。
「アジアではよくある風景」と。
いやまったくその通りで、透明度の高い湧き水など日本や(山のある)アジアではごく普通の風景。
ところが上記の偶然が重なり、
智慧者のコピーセンスがあいまってみごとな観光地となったわけで、
地域観光を推進する立場に立てばすばらしい結果となりました。

バリ島ティルタウンプル寺院の湧き水
私はここで皮肉を言っているわけではありません。
この日はあいにくの曇天でしたが、
光線の良い日に一度ご覧になれば良いと思います。
ただ、日本やアジアの美しい(川を含む)水の風景の復活に気持ちを向けてほしいと思います。
ここに押し寄せる観光客の故郷の水も、その昔はこのように綺麗だったはずですから。
自戒を込めて。

「モネの池」この日の見物客は少なかった方なのかもしれません:撮影は妻
なお、ここ板取川沿いには良い飲食店がいくつもあります。
このブログでも、
「天然鮎料理おもだか」
「ボン・ダボン」
「夢ふうせん」
の三店についてはこれから書いていきますので、
近く戻ってきてくだされば幸いです。
2016.7.20上記三店の記事が完成しました。クリックしてみてください。
根道神社(「モネの池」)
岐阜県関市板取下根道上448
註①
吉田茂樹氏の『同義的類似地名の分析:ホラ・フレ・ハル・ホロについて』
註②
神社本庁の資料によれば、祭神の中心は根道大神。
「根道」と聞いて思い出すのは、神話上の神武天皇の東征に関わった大根道。のち紀伊国の国造(くにのみやつこ)を受けた一族の祖先神です。
しかしこの美濃の地との関わりはなさそうに思いますし、ここ旧板取村の村史にはその名が記されていないそうです。
第一、この神社の名が「根道神社」と変わったのは明治になってからとか。
それまではただ「明神」と呼ばれていたようです。
地名を神社名にしたのでしょうか。
Posted by gadogadojp at 17:30│Comments(0)
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