土湯温泉のこと

2012年10月14日

土湯温泉のこと



この夏、三日間かけて福島県を訪問しました。
その折りの見聞報告は別のブログに書いていますのでここでは省きますが、
ここ老舗の温泉場土湯温泉も大きな被害を受けたようです。
好景気の時代に団体客に対応しようと建てた大きな温泉旅館群は、
バブル以降の不景気が進む中、ただでさえ客足が途絶えがちだったなか、
2011年3月11日の震災による被害がかなり決定的な被害を受けました。
ある土産物店の女性店主によれば、地震以降すでに8〜9軒が廃業したということです。


土湯温泉のこと

    経営再開できず、廃墟化しつつある大旅館


私は土湯温泉には初めての訪問になるのですが、
荒々しい川〜その名も荒川沿いの谷間に湧く湯は、本来見事に清冽な空気感を漂わしていた温泉場だったと思われます。
日帰り客の増加に対応するため、真新しい<足湯>を何カ所も設けるなど、土湯温泉観光協会は様々な取り組みをしておられるようです。
随所に見られる土湯こけしのモチーフはいいものです。
けれど、古く背の高い建物はそのこけしを埋没させ、せっかくの渓流の風景も台無しです。

土湯温泉のこと

    川沿い遊歩道は必須ですが、殺風景過ぎます

土湯温泉のこと

    楽しいアイデアです

余計なお世話かもしれませんが、これ以降はさらに旅館街が一丸となって、
この風光を生かした建物に立て替えて、個人客を大切にする、個性的でこじんまりした温泉街に変身して行くしか道はなかろうと思うのです。
たっぷりと人手をかけた手厚いサービスが受けられる宿を主流にし、
同時に、外食を楽しめる素泊まりの小洒落た低層ホテルも用意して。
風呂の共同使用のみならず、魅力のある(宿の中の)食事どころも行き来できるアイデアはいかが?
連泊客が増えますよ。



土湯温泉のこと

    足湯


わたしは土湯に泊まりませんでした。
ぶらぶら散歩して、ちょっぴり足湯に浸かって、蕎麦の昼食を食べて…
典型的な日帰り観光客でしたが、落ち着く場所が見つからなかったことを申し添えておきます。
そんなわたしにとって、
「山根会津屋」さんというこけし屋さんを一軒訪れ、女将に土湯系こけしのレクチャーを受けていた時間がいちばん楽しい時間でした。
小さなこけしを一体、土産に買いました。
土湯の皆さんには申し訳ないことですが、福島県の食品を家族への土産にする気にはなりませんから。今は。
そこでやはり、こけしの魅力の発信が何より大切だと思うのです。
関東の人にはあるていど知られているでしょうが、
関西人にはまだまだ情報不足ですよ。土湯の皆さん。



土湯温泉のこと



土湯温泉のこと

    西山某さん作のこけし (名が読めません)




タグ :福島県温泉

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Posted by gadogadojp at 18:30│Comments(0)エリア
 
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