郡上八幡という町
2016年07月20日
いがわこみち
いがわこみち
郡上八幡は、町と流れる水とが一つになった魅力的なエリアですね。
短い立ち寄りが二度、宿泊したのが一回だけというわたしは、
町の魅力を総合的に語る資格をまったく持ち合わせていないのですが、
まだ訪れたことのない方にわずかでも写真や情報をお届けすることで、
この町を旅したくなってほしい、と願って記事にしました。
それほど魅力ある町なのです。
まず、町全体をおおきくとらえてみましょう。
郡上(ぐじょう)市は岐阜県にあります。
その郡上市の中心地エリアが城下町郡上八幡(ぐじょうはちまん)です。
新橋から吉田川を見下ろす
街中に流れる主な川は二流。
一つは北から南に流れる小駄良(こだら)川。
もう一つは東から西へ流れる吉田川。(上流はせせらぎ街道)
町の真ん中でこの二つの清流が合流し、名は吉田川のまま。
下の地図(国土地理院地形図)の➕マークがちょうど合流点です。
地形図1
上の地図(地形図1)をもう少し広域にひろげてみましょう。
市街地を離れた少し西の地点でこんどは長良川と合流します。
下の地図(地形図2)の➕マークが、吉田川と長良川の合流地点です。
鵜飼で有名な長良川は北から南に流れ、やがて伊勢湾に注ぎます。
長良川の西側(右岸)には東海北陸自動車道が通じ、ICも設置されています。
地形図2
郡上八幡の町はさらに二つのエリアに分けることができます。
吉田川の南側(左岸)と北側(右岸)です。
以下、郡上八幡の観光地図も参考にしてください。
吉田川の南側には人家、商家が密集し、道路は狭く、
古い情緒が色濃く残っています。
徒歩による散策にもってこいのエリアです。
北側にも古い町並みがのこっていますが、大手町という名があるように、どちらかというと武家や寺院、大商人の建築が多かったようです。
そのせいか道幅も広く、南側に比べて整理整頓された雰囲気があります。
地形図1、2の北側エリアの東側(右手)の丘の上に郡上八幡城があります。
近代に再建された城ですが、木造で、城ファンにはよく知られています。
ここが郡上八幡のランドマークでしょう。
「積翠荘」から眺め上げた郡上八幡城。左下に見える石碑に興味深い内容が記されています。
この郡上八幡城と地形図2の左下に見える郡上八幡駅とを徒歩で結べば
約2.5Km。寄り道せずに歩いて40分見当でしょうか。
これでだいたい町の規模がおわかりではないかと思います。
(なお、郡上八幡駅は旧国鉄越美南線、現在は長良川鉄道の駅です。)
郡上おどりサイトから拝借
さて、郡上八幡の魅力は、第一に<郡上おどり>でしょう。
「郡上のナァ〜」の歌い出しで有名なこのおどりは、日本で最も長い期間開かれる盆踊りですが、
盆期間4日間の徹夜踊りがそのクライマックス。
これを体感したいと強く長く願いながら果たせておりません。
太古から日本列島では夜を徹しての庶民の遊興と交流の歴史がありました。
歌垣(うたがき、かがい)、あるいは毛遊び(もーあしび)や盆踊り。
アナーキーさの失われた現代では
そのような熱気をタイムワープして体験できる機会は他になかなか得難いので、
歴史研究の端くれに住むわたしとしては一度は参加してみたかったのです。
けれど残念ながら未体験ですのでご紹介できません。
関心のある方には、この懇切な郡上おどりサイトが役に立つかと思います。
また、郡上おどり保存会による歌詞集は、さらにマニアックな研究におおいに役立つことでしょう。
小駄良川沿いの独特の建築
町並みの魅力としては、
冒頭に申し上げた、町と水とが一体になった風情がなによりです。
上記の歌詞集から一句引用すると、
「郡上はよいとこ住みよいところ 水もよければ人もよい」
だそうなので。
やなか水のこみち
やなか水のこみち
水と親しんでいる郡上八幡の人々の生活を垣間見せていただくためには、
以下の六つのポイントを楽しまれてはどうかと思います。
上に示した郡上八幡の観光地図からさがしてください。
それぞれの解説はここでは省きます。
ただ、日本の伝統文化に関心がある方は、歌人宗祇(そうぎ)について復習されてから来られるのが良いかと思います。
1)いがわこみち
2)吉田川親水こみちと宮が瀬こみち
3)やなか水のこみち
4)宗祇水
5)(地図にはありませんが)宗祇水から小駄良川の河原に出て、散歩
6)宮が瀬橋や新橋にたたずみ、眺めを楽しむ
いがわこみち
宗祇水
町のあちこちに置かれた案内照明
食事、グルメどころもたくさんご紹介したいのですが、
残念ながらわたしは昔々宮が瀬橋のたもとの「そばの平甚」さんで蕎麦をいただいた記憶と、
今年になって「吉田屋美濃錦」さんでうなぎを堪能した体験しかありません。
ですが、夜の町を散歩していますと、
うなぎはもとより、飛騨牛を看板にした小さめの店が観光客の食欲を誘っていました。
何かと楽しい食べ物が待っていそうな町です。
ただし空腹時に食品サンプル(特産)の店に入ってがっかりされませんように(笑)
町の特産食品サンプル
最後に、宿のお話です。
ネットを調べていきますと、情緒ある町にふさわしく、古民家を活用した宿などもあるようですが、
わたしたちは泊まるだけでしたので、
郡上八幡城の建つ丘にある「積翠園」さんに素泊まりをお願いしました。
結婚式場まで備えた大きな旅館ですが、
眺めの良い宿で応対も感じがよく、部屋もひろびろとしていました。
朝夕は小鳥のさえずりがよく聞こえ、
車がなく足の弱い方以外には良い環境かと思います。
(ただし食事はいただいておりませんので悪しからず)
全室内禁煙です。
「積翠園」ホームページはこちら
積翠園
積翠園
さて、拙文で郡上八幡の魅力をお伝えできたかどうか心配ですが、
意外に交通の便利な場所にありますので、
機会がありましたらぜひ一度どうぞ、とおすすめしておきます。
いがわこみち
それにしても、人間の生活に水が重要だということをしみじみ感じる町でした。
郡上八幡の町を流れる用水は、今も住民には不可欠な機能を維持しています。
井戸端会議の場所としても大切です。
(ですから観光客は、地元民が水を利用している写真をみだりに撮影しないようにしましょう)
農地ばかりでなく、町や都会であっても、
水はその地に生きる人にとって空気と並んでなくてはならないもの。
なくてはならないものは利益の手段にしてはなりません。
水道の民営化や(国内、外国の)企業による水源の買い占めなどは、
その人々の生活や命を他人が支配してしまうこと。
許してはなりません。
というようなことを強く感じた郡上八幡の旅でした。
そうそう、郡上市のキャラを紹介しなくては。
郡上良良(らら)ちゃんです。
詳しくはこちらの郡上市ページをを
Posted by gadogadojp at 16:00│Comments(0)
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